2021年9月9日木曜日

『プライドレス 受け入れるが正解』を読んで

 先日、友人に勧められて、『プライドレス 受け入れるが正解』(藤森慎吾著/徳間書店)を読みました。

オリエンタルラジオの藤森さんのチャラ男のイメージが、根は素朴なんだなぁ、という印象に変わりました。

オリラジはデビュー後すぐに爆発的に売れて、あとは波のようにヒットを打ってこられましたが、この本ではそこはさらっと触れる程度。

テーマは一貫して、著者が人生のターニングポイントを、どのような意識と立ち位置で生きてきたか、という点に絞られていました。

本の作りとしては、そこが素晴らしい。

編集者が売れそうな要素をあえて捨てている、そんな勇気を感じました。

だってオリラジの起死回生裏エピソードは、業界の人も、一般の人も気になっている人がいるのでは、と思いますが、そこを入れすぎると著者が伝えたい「プライドがないからこそ、前に進めた」というテーマがぼやけますもんね。

読んでいて感動したのは、「自分の性格や特性にいちばん向いていると思われる、いまのような芸風で、わが道を行くしかない」と語るところです。

自己啓発の本を読み漁っても、自分探しをしても、自分が進むべき道が見つからないとしたら、それは「目の前にあるものと自分とのつながり」を、まだ見極められていないからなのではないかな、と思っています。

だから、私は本で「まだ見ぬ才能が引き出される」というようなテーマはあまり作らないようにしています。

「どこかに落ちている才能」を探しにいくと、永遠に終わらないから。

才能とはもっと身近なものなのではないでしょうか。むしろ、自分の器を知ることが、本当の才能を発揮するのに最も大切なのだと感じています。

いち視聴者からすると、藤森さんは一流の芸人に見えます。そんな人でも隣の芝は青く見えるのですね。

でも、藤森さんの「隣の芝はそりゃ青いだろうけれど、自分の庭を自分自身が気に入ればそれでいいんじゃない」というようなスタンスに、背中を押してもらえた気分でした。

とてもいい本でした。おすすめです。